住宅街の中の山小屋

やけくそだけどなげやりじゃない。のんびり流されるままゆらゆら。

イリーナ・メジューエワのピアノ公開講座に行ってきた。

ピアノとかクラリネットとか音楽の公開講座って行ったこと無いので行ってみることにした。無料って言うのが大きい。やっぱり2000円くらい取られるとなると身構えてしまうと言うか自分が行くべき場所では無いって気がする。音大生や音大目指す人向けって感じがするから。2000円あったらリード一箱変えたりするし。

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イリーナ・メジューエワはロシア人でロシアピアニズムについてで「ピアニストの系譜」のコラムで出てきたりNHK-BSプレミアムの朝やってるクラシック倶楽部で見たりして知っていた。テレビで聴いたときは印象良くなかったんだけど録画と生演奏は違うし、ロシアピアニズムについての何か知れればって事で相愛大学へ。12月1日にも行ったから2週間ぶりくらいかな。

「ピアニストの系譜」は過去にも書いたけど名前の羅列でキャッキャ喜べる人以外はおすすめしない。

「ピアニストの系譜: その血脈を追う」を読んだ。 - 住宅街の中の山小屋

ピアニストの系譜: その血脈を追う

ピアニストの系譜: その血脈を追う

 

 ぼっーっとしてたら出かけないと行けない時間になって、めっちゃ寒かったから適当にダウンやらネックウォーマーやら手袋つけて出かけたんだけど途中電車の窓に映る自分を見て目を背けたくなった・・・。(良い服着ても一緒だけどね・・・!)

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6時前くらいのポートタウン東駅出ですぐ。駐車場かな?明るいときにも見たけどこれ何なのかわからない。南港寒い。

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昼間違って子供の気配も無く寂しい。そして寒い。

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暗い。これ撮ってるときなんだあいつ怪しい!って帰る途中の学生に思われたと思うw

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寂しい簡素な看板があるだけ。右の校舎からはホルンとトロンボーンの音が聞こえてきた。音楽勉強できるなんて羨ましい。寒い。

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夜の礼拝堂。遠くから見てもホールの凜とした光が見えてて綺麗。

中に入ると平日だから学生が結構居た。バスフルート持ってる人とか休憩してる人とか色々。上手な人同士と合奏できるなんて良いなー音大だから当たり前なんだけど。

早く着いたので椅子に座って待ってると目の前を普通にイリーナ・メジューエワが通ってビックリした。偉い人オーラが出てた。

ホールに入ると学生・教員と一般人に分けられていて当然ながら学生は前の方の席へ。学生は前に言ってーなんて言われたけど正直者なので一般席に。

音大生や専門的にピアノやってるっぽい高校生とピアノの先生風の女性で9割くらい。学生席に座ってた男子なんて片手で数えられるくらい。日本のピアノ界ゆがんでるなって思った。よく言われるように女性は嫁に行けば良いとかでお稽古の延長でやってる人が多いって事なんだろうか。

Twitterで「音楽なんて結婚までのつなぎだし♪」なんてふざけたこと行ってるの見たことあるし、なんか悲しくなった。ここいる人たちも結婚までのつなぎだなんて思ってる人居るのかなとか思ったりして。

実力無いくせに偉そうなことを考えているとメジューエワ登場。そんなにピアノと離れること無く椅子の真ん中手前くらいに座って肘は鍵盤の上で弾いてる。ちょっと前のめり。

ラフマニノフ弾いたときに前回ここで名曲コンサート聴いたときの学生と違う響きでホールの壁を伝って耳に届く感じ。ここで聴くと自分の前にガラス板の壁があるんじゃ無いかって思っちゃうんだけど横からガラスの壁をすり抜けて耳に伝わってくる。

上からも音が降ってくるし弾く人が変わると全然違う。でも衝撃を受けるってほどの響きじゃ無かったな。クン・ウー・パイクのほうが衝撃だった。

(今日聴いたラフマニノフのプレリュードト長調op.32-5)


RACHMANINOV: Prélude, op.32 no.5 in G major Moderato - Valentina Lisitsa - YouTube

スクリャービンも凄く丁寧に優しく弾いてるのに時々暴力的な音があったりして不思議なメジューエワの世界。アルゲリッチってもの凄く乱暴な感じに弾いてるのに丁寧さを感じる音出してると思うんだけどその真逆だと思った。

メトネルは思い入れがあるのか指で鍵盤をビブラート掛けるみたいに揺らしたりしててビックリ。ついこないだネイガウスのピアノ演奏芸術で鍵盤を揺らすなんてばかげている!!って読んだばかりだったから。

生演奏良かったけど次いつリサイタルするの?また聴きたい聴きたい!ってほどには良いと思わなかったなー。

次は対談。音楽学部の教授の児嶋一江さんが出てきてメジューエワとロシアピアニズムについて話す。だけど期待外れ。タッチの違いやペダル遣いが他の国のピアニストとどう違うのか、ロシア音楽をどんな風に解釈するかみたいな話が聞けると思ってたのにロシアについて知らないんです!スクリャービンしか弾いたことありませんなんて言ってて人選ミスじゃ・・・って思った。

なんか料理の話やロシア寒いよねーなんて話しててグネーシン音楽学校の設立の経緯とか話しててそんなのパソコンで調べたらすぐわかるわ!って内容ばかり。

もっとレパートリー増やしておくべきだったとか学生時代はレコード良く聴きましたみたいな話で、それなら「ロシア音楽、ロシアピアニズムについて」なんて題つけないで欲しかった。ラフマニノフダイナミックで大柄で重厚な音でスクリャービンは反対に小柄で内省的な音楽ってほんの少し話しただけ。

チャイコフスキーなんてチャの字も出なかったよ。

この対談!日本人ピアノ講師とロシア人ピアノ講師が主婦の会話してるだけ!

最後に質問は?って時に「ロシア人と日本人の演奏法の違い、音の違い。ロシア人と他のヨーロッパ人の奏法の違いは?」なんて聴きたかったけど学生じゃ無いし実力無いし聞けなかった。個人個人みんな違うのは当然だけど大きく分類したときに絶対ロシア人と日本人違うはずなのにそんな話出なかった。

あぁ質問する度胸を後押しする実力と知識を身につけなければ聞きたいことも聞けない。

対談終わって公開レッスン!

2台ピアノが並んでいてメジューエワは奥のピアノの前に座っている。

最初の学生は少しピアノから離れて凄く椅子が低くて軽く腰掛けて肘は鍵盤の下でピアノは色んな奏法というか姿勢があるな-。

学生がさっきまでメジューエワが弾いていたピアノを鳴らした瞬間にメジューエワの響きの凄さを実感。当たり前だけど学生とはレベルが違う響きをしていた。学生の音はガラスの壁越しに聴いてる感じがする。

一曲通して弾いた後にメジューエワがここはこう。そこはそう。と話し出した。

「素晴らしかった!でも今日は時間が無いから良いところは褒めないよ」っていうメジューエワの人柄が出る優しいフォローが印象的。このあとグサグサ学生はやられていたw

スクリャービンはバスとソプラノをはっきり。もっとメロディ浮かせて!とか16分音符短めだよ。スクリャービンはペダル大好き。とか色々と流石の知識と耳で圧倒された。

ちょんちょんと示すメジューエワの響きの質が悲しいくらい学生と違う。もっとソプラノはっきり!メロディー示して!と何度も言われていた。十分上手なのに公開レッスンってのは厳しい場所だ。でも真剣に教えて貰える場羨ましい。指揮者がオーケストラに指示を出したときのように学生の音が変わっていく様は面白い。

体をくねくねしながら感情込めて引いてるっぽいのに全然感情こもってない。もっともっと!って言われてて音大生でもこんなこと言われるんだなーっと自分のレッスンを連想してしまった。いつももっと歌え歌え!って言われているw

「ロシア人はピアノで歌う」ってさらっと話した言葉が凄い引っかかる言い言葉。

もっと音を聴いて弾いた後の音を聴く!っと言われていていつも読んでる大野さんのブログと同じこと言っていた。和音を聴いて!とも言ってたしロシアピアニズムは発音重視よりその後の音を重視するのかなー。弦の響きを聴いてとも言っていた。

クラリネットとか管楽器は発音しっかりしてないとガッカリだけどピアノって猫が打鍵してもそれなりの発音するしピアノって発音後の音が大切だと学べたので来た意味があった。

フェルマータもっとたっぷり、休符を聴いて!、間を大事に、常にソプラノを意識、メロディーを浮かせる、音が降りてくるのを聴く、音の中の静けさ、ペダルを大事にだったり色々練習の種になる言葉たくさん聴けたから面白かったな。

クライマックスのためにここはシンプルに弾いてと曲全体を見通す力も大事なんだと教えていた。綺麗なメロディーだったりすると自然に熱くなったり感情込めたりするけど全体を見通す力が無いとバラバラに空中分解してしまう。強弱記号が何も無ければシンプルにクライマックスに向けて溜めておく。

最近練習してて自分の音はいつも2小節ずつぶつ切りになってしまうなーっと悩んでたけど今日貰ったヒントを試してみよう。

かなり一人目に時間を掛けてて帰りの時間大丈夫かな、なんて思ってたら二人目はあっさり終わった。

椅子の高さは中くらいで真ん中に腰掛けて肘は平行な姿勢。最初の学生より響いてるというか男らしい音だった。ラフマニノフを意識しての音かも知れない。ラフマニノフは鐘の音がたくさん出てくるから意識して強弱ハッキリff~ppまで表現することが大事らしい。音の絵だから具体的なイメージを持ちながら弾くと良いよと教えていた。教えた後に学生の音がすぐ変わるので音大生は瞬発力と修正力が凄い。

真っ暗な外に出ると9時過ぎくらいなのにピアノの音が校舎から聞こえてきた。いつでも練習出来る環境良いなー。

クラシック聴くと頭の蜘蛛の巣がとれるようでスッキリする。練習しよう。練習楽しいし。

上手くないと色々損する。今日だって前列の学生は自分の何倍も吸収してるはずだ。

ショパン:ノクターン集(21曲)

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おとぎ話/忘れられた調べ~メトネル作品集

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