住宅街の中の山小屋

やけくそだけどなげやりじゃない。のんびり流されるままゆらゆら。

2015/04/04 ギグラ・カツァラヴァ ピアノリサイタル 感想

神戸芸術センターであったギグラ・カツァラヴァのピアノリサイタル。

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http://www.art-center.jp/kobe/images/pc/next_recital.pdf

チケットが当たったので行くことに。神戸芸術センターは初めて。ホールの前は花見スポットらしく桜が沢山咲いていて綺麗だったし、土曜日だったからか出店も沢山出ていて、吹奏楽の野外演奏も聴けた。

ホールは大ホール以外に100席ちょっとの小ホールが3つあって、それぞれの名前がショパンスクリャービンプロコフィエフとなっているのが素敵!

ピアノもベーゼンドルファー、ベヒシュタイン、プレイエル、ザウター、ブリュートナーを所蔵しているというリッチなホール!国産とスタインウェイが無いのは意外。この種類の豊富さは凄い。

ピアノコンクール主催したりピアノリサイタルが多いみたいなのでピアニストを大事に育てていくホールなのかも。

大ホールに入ると、客席の天井が配管見えてて、これは悪名高い「なら100年会館大ホール」と同じではないか!!音響どうなるんだと心配になったけど作りの割に良いなと思った。奈良に比べて天井が低いのと舞台側や壁の作りが音響に良いのかなーっと聴いててビックリ。

ホールにはベヒシュタインが備え付けられていた。普通のホールではスタインウェイヤマハが多いだけにこれだけでテンション上がる!初めて聴く生のベヒシュタイン!

ギグラ・カツァラヴァの名は聞いたこともなかったけど、モスクワ音楽院で卒業時に最高位勲章貰ったり、レフ・ナウモフに師事したり、国際コンクールの審査員も務め、現在はパリ・エコール・ノルマル音楽院教授と凄い経歴。

プログラム

スクリャービン 夜想曲Op.5-1

        ピアノソナタ第2番

        2つの詩曲より第1番Op.32-1

        アルバムの綴りOp.45-1

        2つの詩曲Op.71

        詩曲「焔に向かって」Op.72

ブラームス   3つの間奏曲より第1番、第2番

リスト     即興ワルツ

        愛の夢第3番

        ハンガリー狂詩曲第10番

 スクリャービン好きなので、沢山聴けるぞ!とワクワクして行った。ショパンがない所も嬉しかった。

ギグラ・カツァラヴァの音色

魅力的な演奏家は初めの3秒で心と耳をグッと鷲摑みにしてくる。ギグラ・カツァラヴァは、そういう強い引力を持ってる人で、すぐに彼の世界に引き込まれてしまった。

今までに聞いたことないくらい倍音がギラギラしてて明確に聞こえてくるから本当にビックリ!ネイガウスから続くロシアピアニズムの伝統を受け継ぐピアニストが目の前に居るのだと思った。芯があるけど、一音一音が倍音でコーティングされてるような響き。

ベヒシュタインの特性もあってか、金属的な音色ではなく木のぬくもりみたいなものも感じた。

絶対に底までガンッ!と弾かず、もの凄く浅いポイントを狙って鍵盤をそっと撫でているだけなのに、力強く大きい音が出ていて本当にビックリ。魔法を見ているようだった。

ガシガシと弾かないので上部雑音、下部雑音全くしないで純粋なピアノの音だけ聴かせてくれる。本当に凄い。

ameblo.jp

ギグラ・カツァラヴァの音色は大野眞嗣さんが紹介しているロシアピアニズムの音そのもの。演奏姿勢、動きもブログに出てくる演奏者たちとそっくりだった。

高めの椅子で、撫でるような打鍵。底までガツンとガシガシ弾くことは決してしない。そういう目で分かる部分は同じだと思った。

モスクワ音楽院出身でネイガウスの高弟、レフ・ナウモフに師事してるという経歴もロシアのネイガウス派の音という自分の印象に自信を持たせてくれる。

スクリャービン

音色だけじゃ無くて音楽の作りも本当に素晴らしかった!近現代の訳の分からない作曲家のスクリャービンではなく、ロマン派のスクリャービン

無駄に深刻的、深淵で難解。意味不明な轟音を並び立てて神秘的だろ?ん?っという作りではなく、甘く官能的で、ピアノで女性を口説いてるのかのような演奏。

ピアノソナタ第2番とかだと特に、深刻に轟音がなり立ててるだけの演奏あるじゃないですか。そうじゃないんだ!もっと甘くささやくような曲なんだよっ!って教えてくれてるような。

演奏したスクリャービンの殆どの曲、夢見がちな男性がベットで女性の頭を撫でてるような優しくて官能的で恋愛映画のベッドシーン見ているようだった。

女性だったら、もっと好きになってたかもw

あの音色と甘く官能的な演奏。これこそが本当のスクリャービンなんだ!!凄く分かりやすい作曲家なんだ!!っと一切言葉を使うこと無く演奏で示してくれた。

ブラームス

ブラームスになった途端、音色変わるのが凄い。超一流の演奏家って簡単に弾き分けちゃう。全部、ギグラ・カツァラヴァの音色ではなくスクリャービンブラームス、リストの音色。

演奏はやっぱり甘い!終始、ピアノを通して口説かれている感覚w

でも、もうめちゃくちゃ好きになってるよ!!

リスト

即興ワルツになって激しく暴力的な部分を見せるギグラ・カツァラヴァさん。

さっきまで、甘くささやいてたのに急に男らしくなってしまってギャップにやられるw

この曲でだけペダルが戻る時のバコバコ音が凄い激しくて、意外だった。チラシに載ってない曲だったし急いで準備したのかなぁ。本当にこの曲だけバコンバコン。

愛の夢第3番は有名ですよね。恋人に将来の夢を語る男の姿を見ている感じの演奏。

ハンガリー狂詩曲第10番は、演奏から几帳面な性格がうかがえた。

グリッサンドを指一本でやってたんだけど、始まりの指の降ろし方がとても丁寧。横に動かす指もブレなく、正確に正確にと意識しているようでいい加減さゼロ!

あんなに激しい曲を適当さ一切無く正確無比に弾ききる技術にブラボー!!

まとめ

恐ろしいピアニストの演奏を聴いてしまった。今まで生で聴いたピアニストで一番凄かった。こんなに凄い人の演奏が2000円で聴けるってオカシイ。1万円払っても安いと思った。もっと変な演奏する人5,6000円取ったりしてるのに!

ホントもっと有名じゃ無いとおかしいよ!!凄すぎるのになんで!日本人のピアニストで、この人に敵う人居ないんじゃ無いかな。

特にスクリャービンは絶品。今度はスクリャービンのピアノ協奏曲演奏を聴きたい。

関西フィルと共演してくれたら最高だなぁ。在阪オケで是非、ピアノ協奏曲やってほしい人だ。

こんなに凄い演奏聴かせるなんて反則だよホント!只でさえ文句垂れなのに、今後ピアノ聴く度にギグラ・カツァラヴァ、ギグラ・カツァラヴァってなっちゃうよ!どうしてくれるのカツァラヴァさん!!

こんな体にした責任取ってよね!来日、頻繁にお願いします。もっと呼ばれるべきピアニストだよ絶対に!

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Pno Sons

Pno Sons

 

 大野眞嗣さんの師匠のアンナ・マリコヴァのスクリャービンピアノソナタ全集。とても良いですコレ。値段もお手頃だし、カワイのシゲルカワイを使用してるのも珍しい。

Complete Piano Concertos

Complete Piano Concertos

 

 アンナ・マリコヴァのサンサーンスのピアノ協奏曲全集も本当にお勧めです。これの第2番は絶品で聴いたら他の受け付けなくなるくらい!